ハーレムの千一夜

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なんかこの人って天才とか奇才とか、そんな称号にすら当てはまらない世界にいるんじゃないかと思えるほどのこの演奏って・・・。
昔「トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団」を初めて見た時、可憐なチュチュからはみ出るワキ毛や胸毛に喜ぶような単純さではなく、きちんと「くるみ割り人形」や「白鳥の湖」などがわかっていてこそ楽しめるパロディで、実は観客の力量が試されているような気になったものだった。
ファジルのアルバムを聴くと、それと同じような感覚がいつも襲ってくる。原曲を知っていてこそアレンジの凄さが分かり、同時に聴き手のスキルが問われるような嬉しくも悔しく、大迷惑な気分にさせられてしまう。
特にトラック7の「サマータイム・ファンタジー」などは、以前出た「ガーシュウィン」のアルバムにも収録されていた曲だけど、あの時はオケとのコラボだったために、テンポもアレンジもきっちりとした曲に仕上げてあったものだが(それでもすげーアレンジだなと思ったけど)、今回はライブからの収録と言う事で、より自由度が増していて、もういったい「サマータイム」と言う素材をどう調理すればこんな表現になるの?こんな音の使い方ってアリ?と思えるほどピアノが語りかけてきて、身体の中からゾワゾワしてしまった。

満足感と敗北感が同時に味わえるそんなCD、秋の夜長を短く過ごしたい人(笑)にオススメ。
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by fuuki-no-botan | 2008-10-07 15:58 | エンタテイメント | Comments(0)